-そのころ夢中になっていたものを教えてください
当時は特撮ブーム、変身ブームの時代でした。
幼稚園に入る前に「ウルトラシリーズ」が始まり、小学3年生のときに『仮面ライダー』の初代が始まりました。怪獣や変身ヒーローに夢中になり、友だちと砂場で『仮面ライダー』ごっこをやっていました。
もうひとつ、小学校高学年から中学生にかけて夢中になったものが、西洋占星術や星占い、タロットカードでした。読んだ漫画にタロットの紹介があり、その神秘性に強く惹かれました。
後でわかったことですが、神戸はタロットカードとゆかりのある街でした。まだ世の中に知られていないころから占いの第一人者の方がおり、神戸の隣の芦屋の滴翠美術館には戦国時代から江戸時代にかけてのタロットに関連した古いトランプのコレクションがありました。
今も占いやタロットカードへの関心は続いています。
音楽を聞くことも好きです。
大河ドラマや手塚アニメの音楽でも有名な作曲家の冨田勲さんが、当時最先端のアナログシンセサイザーを駆使し、たった一人で多重録音することで、クラシック音楽のドビュッシーの曲や『展覧会の絵』などを、これまで誰も聴いたことがない新たな音の世界に表現して発表しました。
冨田さんが評価されたのは日本よりもアメリカの方が早く、グラミー賞にノミネートされ日本に逆輸入で入ってきたのが、私が小学校を卒業して中学校に入学するころ。大学生だった兄と私は大きな影響を受けました。
兄は工学系の人で、自分でアンプやスピーカーをつくっていたほか、その後、自分でアナログシンセサイザーもつくってしまいました。私自身もシンセサイザーをフィーチャーしたプログレッシブロックのバンドのレコードをよく聴いていました。

-校正という仕事以外の趣味を教えてください。
歴史と文学と音楽の3本の柱は今も続いています。
文学は読むこと以外にも自分で書いたりもします。プロの作家や書き手になりたいというわけではなく、ときどき自分で楽しんで小説や詩を書いています。
音楽を聞くことももちろん好きなのですが、演奏するのが一番楽しいです。住宅事情があるので生楽器は扱えず、電子ピアノであったりシンセサイザーであったりするのですが、自分で作曲してみたり、DTM(Desk Top Music)という誰でもパソコンで音楽を制作できる環境もあります。DTMを使い、自分では演奏できないような曲を作ったりもします。
死ぬまでにバンドをやりたいです。
学生のころからロックバンドをやりたいと思っていたのですが、それだけはなかなか叶えられていないんです。一昨年、還暦記念にベースギターの入門機を買ったのですが、まだ一度も電源を入れられていません。
仕事部屋の片隅にずっと飾ってあるだけなので、来年の目標はあれに電源を入れることですね。
校正の仕事は言葉や文字の世界のことで、言葉というものは面倒くさい部分や、まどろっこしい部分などが相当あり、フラストレーションがたまったりします。
音楽はもっとダイレクトに自分の感覚に訴えかけてきますし、生理的な解放感を得られます。人と歌や音をあわせたときの快感や喜びは、ほかでは得られないものだと思っています。
それがあるおかげで結構へらへらと生きてこられたのではないかという気がしますね。
ほかに、前までは映画館で映画を見るということが好きだったのですが、新型コロナもあり最近行けていませんでした。もっと映画館に行きたいと考えています。